オフィシャルブログ

平野工業のよもやま話~雑学講座11~

皆さんこんにちは!

 

平野工業、更新担当の中西です。

 

 

 

リフォームの歴史

~住まいとともに変わりゆく、人の暮らしのカタチ~


今回は「リフォームの歴史」について、時代をさかのぼりながら、どのように人々の暮らしと住まいが変化してきたのかをご紹介します。

今や“当たり前”となったリフォーム。でも、元々は何のために行われていたのか?どんな背景があったのか?
少し視点を広げて、住まいの“進化の軌跡”を一緒にたどってみましょう!


■ リフォームの原点は「住み継ぐ文化」にあり

 

日本の住宅文化は、古くから「壊して建てる」よりも「手を入れて使い続ける」考えが根づいていました。
たとえば、古民家の梁や柱には、何世代にもわたって補修や改修が加えられていることがよくあります。

江戸時代には、町人文化の広がりとともに「屋根の葺き替え」「土壁の補修」などのメンテナンス的なリフォームが一般化。
職人の手仕事で、家を守り、使い続ける知恵が築かれてきました。


■ 明治~昭和初期:近代化とともに変わる住まいの形

 

明治維新を経て、住宅も西洋式の技術や文化を取り入れるようになります。
それにともなって、和風建築に洋風の要素を取り入れる“和洋折衷”なリフォームが登場します。

  • 土間を板張りにして靴で歩けるように

  • 畳の部屋にソファやテーブルを配置

  • 窓ガラスや障子の併用

また、大正〜昭和初期にかけては防火や衛生の観点から、トイレやキッチンの改修工事が少しずつ行われるようになりました。
“より快適な暮らし”を求める中で、住まいのつくりが変わり始めた時代です。


■ 昭和後期〜高度経済成長期:量から質へ。リフォームの本格化

 

戦後の住宅不足を背景に、昭和30年代〜50年代は「建てる時代」。
大量に建てられた住宅が、築30年を迎えた1980年代後半から、「直す時代」へと移行します。

  • 給排水や電気配線の劣化による設備交換

  • シロアリや湿気による床下改修

  • 台所・浴室の使い勝手向上のための間取り変更

この頃から、**「リフォーム専門業者」や「住宅リフォーム産業」**という言葉が生まれ、業界としての確立が始まりました。


■ バブル崩壊〜平成時代:価値観の多様化と「住み替え」から「住み継ぎ」へ

 

バブル崩壊後の1990年代、日本人の住まいに対する価値観も大きく変化します。
「新築一辺倒」だった時代から、「今ある家を大事にする」方向へシフト。

  • 二世帯住宅化リフォーム

  • バリアフリー化リフォーム

  • 賃貸向け原状回復・リノベーション

そして、建て替えよりも「コストを抑えながら理想の住まいに近づけるリフォーム」が、より広く一般化していきました。


■ 令和時代:脱炭素・多様性・ウェルネスの時代へ

 

現代のリフォームは、「修理」や「更新」だけでなく、「暮らしの質の向上」「サステナビリティ」「健康・快適性」といったより多面的な目的を持つ時代へと突入しています。

  • 断熱・気密性の向上による省エネ住宅

  • 脱プラスチック・自然素材志向

  • テレワーク対応の間取り変更

  • ペットとの共生リフォーム

もはや、リフォームは「不具合の補修」ではなく、「理想の暮らしをデザインする行為」となっているのです。


■ まとめ:リフォームは、暮らしの“再設計”

 

リフォームの歴史は、私たちがどんな暮らしを望み、どう住まいを変えてきたかを映す“鏡”でもあります。
かつての補修中心の時代から、今では**価値観やライフスタイルに合わせて“暮らしを再設計する手段”**へと進化しています。

住まいと共に生きていくという選択。
それを支えるのが、リフォームの力なのです。


次回は、「リフォーム工事の鉄則(安全・品質・満足のための基本)」を、現場視点でたっぷりご紹介します。

次回もお楽しみに!

 

 

 

お問い合わせはこちら